アベックってどういう意味?「アベック」や過去に流行った言葉紹介

聞いたことない?「アベック」の意味とは

時代を感じさせる言葉の一つとして挙げられるものは多数存在します。「アベック」という言葉もそんな時代を感じさせる言葉の一つではないでしょうか。
以前日本で使用されることの多かった「アベック」という言葉は、夫婦や恋人関係にある二人のことを示します。近年頻繁に利用されている「カップル」と同じ意味で使用されていた言葉でした。昭和時代の言葉ということで、やや高齢の方にとっては普段使用していたり、ドラマや小説などの中でもよく目にされていたりしたのではないでしょうか。

いつの時代に流行ったのか

「アベック」という言葉が流行った時代は、日本の歴史の中でも最も長いとされる昭和です。現在の大人の大半は昭和時代の生まれですので、そう遠い昔のことでもありません。

戦後間もない、昭和という時代

昭和は64年も続いた長い時代です。戦争もあり、娯楽も現在ほど多くなかったため、一度火がつくとすぐに流行ったような時代です。音楽などでミリオンセラーなどがたくさん出ていた頃ですね。
タバコに関しても今ほど分煙や禁煙ということもなく、あちこちで吸っている姿がありました。タバコ自体の価格も今より安かった上に、タスポや身分証明も必要なかったので容易く入手できましたし、副流煙にもあまり気に留められなかったためにタバコの臭いがあちらこちらからしていたほどです。

電話では誰かわからず戸惑うことも

スマートフォンはもちろん、ガラケーやフィーチャーフォンと呼ばれるタイプの携帯電話もほとんどない時代であり、連絡を取りたい場合は家の固定電話へかけるしかありませんでした。
固定電話へ電話をかけるのは、相手の家族の誰が受けてくれるかわかりません。兄弟や姉妹で勘違いをして、目当てとは別人が取り次がれて電話口に出てくるなんてこともありました。テレビ電話というものも当然ながらないため、声だけの判断になりますが、機械を通して聞くと微妙にいつもとは異なって聞こえることも多く、てっきり本人だと思い込んで別の家族と話し込んでいた、という恥ずかしい失敗談もあります。

「アベック」と「カップル」との違いとは

近年「アベック」に代わってよく耳にするのが「カップル」という言葉です。日本では「恋人関係にある一組」という同じ意味で使用されています。では、その「アベック」と「カップル」との違いとはなんでしょうか。
「アベック」とは、語源をフランス語とする和製言葉です。「~と一緒に」や「~と共に」という意味のavecから派生しました。
「カップル」は、英語であり、人だけではなく一対の物を示す言葉です。
「avec」は英語のwithと同じ働きをする前置詞であり、意味が「~と共に」「~と一緒に」というものなので文脈的にもおかしなことになってしまいます。

「アベック」は死語?

文脈的に名詞として使うことにも違和感が出てしまい、「アベック」は古い言葉の一つとなってしまいました。死語扱いをされる方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
「カップル」や「恋人」の意味で使われることはほとんどなくなりましたが、未だに使用されることもあります。

現代でも使われることも

「アベック優勝」という言葉として、時々スポーツ界などで表現されます。この場合は「男女共に」という意味で使用されているため特におかしなところもありません。
これが「カップル優勝」としてしまうと、「男女共に」ということではなく、一組の男女が優勝したということになってしまいます。またそういう場合には似たような意味の言葉である「ペア」という言葉のほうがより伝わる表現として使用されています。

「アベック歌合戦」

1950年代に、「アベック歌合戦」というラジオ番組が放送されていました。1962年になると、現在の日本テレビ系列の歌のテレビ番組として放送されています。
歌謡番組として放送されていた「アベック歌合戦」という番組は、タイトル通り一組の男女が登場して歌声を披露するものでした。登場する男女のペアは一般人であり、視聴者参加型と呼ばれるタイプの番組です。司会のトニー谷さんが「あなたのお名前なんてーの?」とリズムよく自己紹介を促す流れはとても人気がありました。番組内で使われていた言葉が流行語にもなったほどでした。トニー谷さんは、名台詞を言いながら同時に拍子木と呼ばれる、両端を紐で結わえた二本の木をカンカンと打ち鳴らして番組を進行していました。その様子は「学園広場」という映画にて再現されています。

そのほか、過去に流行ったお洒落な言葉

アベックと同じように過去に流行った言葉としては、「逢引」や「逢瀬」、「口づけ」などではないでしょうか。現実で実際に耳にする機会は少ないものの、歌の歌詞などにも時々出てきますし、時代小説などでは外来語の「キス」や「デート」よりもこういった言葉で表現されることのほうが圧倒的に多くあります。

言葉でその時代の良さを知れることも

現在ではあまり使用されることもなくなってきた言葉ですが、絶滅したわけではありません。時代を感じさせる大切なものの一つとして、その時代の魅力を挽き立てるものの一つとして、歌や小説、映画などの中で探しながら楽しまれるのも醍醐味の一つではないでしょうか。